2025年7月 山羊座の満月 🌕
人生における苦悩やアクシデントは、
素晴らしいことを教えてくれる。
●「人生は突然変わってしまう」と言った人
日常は、何事もなく進んでいく……誰もがそう思っている。少なくとも、ある日突然人生が変わってしまうことなど想像もつかないはず。でも例えば、キャサリン妃は40代になったばかりの若さで、重い病に侵されていることを公表した。「人生は突然変わってしまう」という言葉を添えて。この衝撃は実際に大病をした人でなければわからないのだろう。
ただその衝撃は、必ず大きな気づきをもたらしてくれるはず。こうした経験を経た多くの人が、人生観が変わったと口を揃える。しかもその多くが「人生って素晴らしい」と、ポジティブな心の変化を訴えていることに驚かされる。
自暴自棄になったり人生に対し後ろ向きになったりする人はむしろ少ない。1日1日を大切に生きようという気概、一緒に生きてくれる人への感謝、当たり前の日常が当たり前でないこと、毎日が特別であることの気づきが、人生観を大きく変えるようだ。
●闘病生活の中での電撃結婚
そして人生観が変われば当然のように人生も変わる。最近も50代で罹患し、壮絶な闘病生活をありのままにSNSで報告してきた人が、10日間の交際での電撃的な結婚を発表して大きな注目を浴びている。当初は10日間で大丈夫?と不安がる声もあったけれど、何らか同じような苦悩を経験したことがある人は、誰もがその決断を深く理解し、大きな拍手を贈ったはずだ。きっと、神様がもたらした素敵な出会いと思えたから。辛い経験がなかったら、そういう決断も、その出会いさえもなかったかもしれないから。
ともかくこんなふうに、大きな苦悩に向かい合った時、期せずして人生が大きく動き出すことがある。それはまさに、人生を逆から見たからに他ならない。もちろん命に関わるようなことではなかったとしても、今まで当たり前に歩いていた道が危険をはらんでいるのに気づいた時、きっと人生を違う方向から見ることになるのだろう。ましてや大病をすれば、それこそ逆から人生を見つめたり、より高いところから俯瞰して見るようなチャンスが与えられる。まさしく人生を逆算するのだ。そうすると自分の人生はこれで良いのだろうか、やり残していることは無いのだろうか、後悔することは無いのだろうか、そんな風に自分に問いかけるようになる。その結果不思議なほどの勇気が湧いてきて、自ら動き出す力強いエネルギーまでが湧き上がるのである。
●人生を逆算するような計算が教えてくれるもの
人生は、自分の思い通りにならないのを知ることでもまた、生きている事実に対して謙虚になれるからこそ、今まで背を向けてきたことにもまっすぐ向かい合えるようになるのだろう。でもその時、動かなかった人生が一気に動き出す。これまでの人生設計は書き替えなければいけなくなるかもしれないが、それは決して後ろ向きな書き換えではない。あくまでも前向きな素晴らしい設計図になるのだろう。そして、もし命の期限をどこかで感じ取ったとしても、人生を逆算するような計算は、むしろ新しい生き方によって自分を今までにないほど輝かせる内容だったりするはずなのだ。
いつかは誰にもやってくる終末を、少しだけ早く感じ取るだけで人生は輝く。皮肉だけれどそういうものなのだ。だから何か自分の人生で思わぬアクシデントがあったとしても、それはとっても大きな意味のあること。今まで気がつかなかったことに気づき、今まで感じなかった感情に気づく。そして人をより愛しいと思うことができるはずなのだ。
人生はある日突然変わってしまう。しかしそれも含めて人生なのだと思えた時、人は一気に視野を広げるのだろう。何があるかわからない。だから今日も大事に、明日も大事に。そんなふうに思えるようになると、例えば生きていくことが辛い、つまらないなど決して思わなくなるはず。そしてあの人のように、みんなを驚かすような結婚で、自ら驚くような幸せの中に身を投じることになるかもしれない。命の期限を漠然とでも考えるのは決してネガティブなことでは無い。それだけは確か。何らかのタイミングで考えてみたい。生きると言うことを、改めて。
read more
齋藤薫の満月に知りたい人生のヒント山羊座の満月
