資生堂は、20年以上独自に研究を進めてきた、肌老化を促進する悪玉因子の遺伝子発現量が高い時、肌の組織構造の強化などに関わる遺伝子である「美肌遺伝子(CCN2)」の発現が有意に低くなることを明らかにしました。
時間と美の関係を一新する、革新のソリューション
年齢に関わらず美しく健やかな肌を実現する「美肌遺伝子(CCN2)」
「美肌遺伝子(CCN2)」が多い人は、肌悩みが少ない。
「美肌遺伝子(CCN2)」は、人間の身体において重要な役割を果たす。
「美肌遺伝子(CCN2)」の遺伝子発現量を増加させる化粧品原料:チャノキの葉エキス
「美肌遺伝子(CCN2)」研究員たちの挑戦。
いくつになっても、美しく輝き続ける人がいる。同じ年齢でも、肌悩みが多い人と少ない人がいるのはなぜか。それは、加齢や外的影響以外に、肌の美しさを左右する因子があるからではないだろうか。この仮説が、研究の始まりでした。
01「美肌遺伝子(CCN2)」が多い人は、肌悩みが少ない。
40年の遺伝子研究を経て辿り着いた発見
資生堂は、紫外線や花粉、睡眠中断など、体内外のさまざまな要因で増加する「悪玉因子(セルピンb3)」が肌老化を促進するメカニズムを独自に研究する中で、「セルピンb3と関連して変動する別の遺伝子が存在するのではないか」という仮説に辿り着きました。
約22,000に及ぶ遺伝子からたどり着いたのは、年齢に関係なく肌の再生に関わる「美肌遺伝子(CCN2)」。「美肌遺伝子(CCN2)」が多い人は、肌悩みがより少ないことが明らかになりました。
02「美肌遺伝子(CCN2)」は、人間の身体において重要な役割を果たす。
「美肌遺伝子(CCN2)」は、年齢に関係なく、“しなやかな強さ”や“芯からの輝き”に関係しています。皮ふでは、肌の組織構造の維持に重要な真皮のコラーゲン産生をしており、それ以外にも人間の身体のさまざまな部分で重要な役割を果たしています。
「美肌遺伝子(CCN2)」が多い方は、ハリ低下・たるみ・しわなどの要因であるコラーゲン分解酵素「MMP9」が少ない。
「美肌遺伝子(CCN2)」は、どの年代の人でもアプローチ可能。
資生堂の20年以上の独自研究により発見した、肌老化を促進する「悪玉因子(セルピンb3)」。紫外線や花粉、睡眠中断など体内外のさまざまなストレスで増加することが明らかになりました。グローバルデータの解析を含む研究を実施し、新たに3つのことが分かりました。
「美肌遺伝子(CCN2)」が多い人と少ない人では、自覚する肌悩みレベルが異なり、年齢平均に比べて「美肌遺伝子(CCN2)」が少ない人は、たるみやハリ、肌荒れなどの肌悩みを多く抱えていること。
肌トラブルを引き起こす「悪玉因子(セルピンb3)」が多い状況では、「美肌遺伝子(CCN2)」が少なくなってしまうこと。
「美肌遺伝子(CCN2)」の発現量は年齢と相関関係がなく、どの年代の人でもアプローチ可能な遺伝子であること。
美肌遺伝子(CCN2)の発現量と年齢に相関関係はない
「美肌遺伝子(CCN2)」は、コラーゲンやヒアルロン酸関連成分を増加させる。
研究の結果、血管細胞に「美肌遺伝子(CCN2)」が働きかけ、コラーゲンやヒアルロン酸の関連成分を増加させることが明らかになりました。「美肌遺伝子(CCN2)」がコラーゲンの成分を増やすことで、血管周りの環境を改善し、血管構造を良好にするサポートを実現します。また、「美肌遺伝子(CCN2)」がヒアルロン酸関連成分を増やすことで、肌の内側から継続的にうるおいを生み出すことができます。
ペリサイトにて、美肌遺伝子(CCN2)はコラーゲン構成成分及びヒアルロン酸前駆体を増加させる
03「美肌遺伝子(CCN2)」の遺伝子発現量を増加させる化粧品原料:チャノキの葉エキス
「美肌遺伝子(CCN2)」の遺伝子発現を促進する上で有用な成分を探索したところ、チャノキの葉エキスに「美肌遺伝子(CCN2)」の発現促進効果を見出しました。本エキスによって、「美肌遺伝子(CCN2)」の発現促進を介して毛細血管、真皮や肌構造へアプローチし、年齢に関わらず、美しく健やかな肌の実現を目指します。
チャノキの葉エキスによる美肌遺伝子(CCN2)発現促進効果
米田早織研究員
20年以上セルピンb3を研究してきた資生堂ならではのアプローチ
私たち資生堂は、紫外線や花粉、睡眠中断など、体内外のさまざまな要因で増加する「悪玉因子(セルピンb3)」が肌老化を促進するメカニズムを独自に研究してきました。その中で、「セルピンb3と関連して変動する別の遺伝子が存在するのではないか」という仮説をもったのが、今回の研究を始めたきっかけです。
表皮細胞での創傷治癒や真皮細胞でのコラーゲン産生を促進する「美肌遺伝子(CCN2)」に着目し、加齢とは相関がなく、どの年齢の人でもアプローチ可能な遺伝子であること、全身と皮膚を繋ぐ血管細胞での ECM 関連物質増加効果を新たに発見。そのソリューションとして、日本に縁のある和の植物エキスの効果を見出すことにも成功しました。
細胞実験だけでない多方面アプローチへの挑戦
また、今回は、細胞実験だけではなく、8年もの歳月をかけて取得したグローバル規模でのお客さまのデータを用いた研究に挑戦しました。研究員自らが直接現地に赴き、海外のメンバーとディスカッションを重ね、臨機応変に対応しながらデータを取得しました。このように細胞実験からグローバル規模でのお客さま調査に至る、「美肌遺伝子(CCN2)」 への多方面アプローチによって新しい発見を実現しました。この研究が、お客さまが年齢に縛られずいつまでも自分らしく美しい人生を送る一助となることを切に願っています。
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